9901(灯火)

冷たい空気に包まれて 神の御加護あれと乞う

小さな灯火 ぬくもり求め

闇の中




9902

悲しくて会えず

寂しくて会わずにいられない

ふくれて帰っても




9903

涙湧く湖 嘘のない世界へ

騙し合う人々と 真実の女神が

呼びかける




9904

僕の頭の隅っこに 君が居て

こちらを見つめて 笑ってる

きのうも きょうも きっと,あしたも

そんな気がするから また,受話器を握る

僕の頭の隅っこに 君が居る

いつも




9905(流れ星)

ながれ星ひとつ 真夜中の空に

つつつーっと 思い出引きずって

どこに帰るのかな




9906(木洩れ陽)

柔らかな光のシャワー

木洩れ陽の中で目覚める朝

優しい木の葉の囁き 「お目覚めのようだね」と

わたしを包む 大樹の吐息




9907(8384)(一粒)

君の涙は誰のため 夜の街に一粒落ちる

水銀灯の微かな光を跳ね返し

また一粒

ぼくの指を伝わっていく